巷で噂の「新型コロナウイルス感染症 COVID-19」。
2020年も6月に入り、感染者の増加がピークを越えて、特措法に基づく緊急事態も一旦解除されました。ホームタウンたる和歌山県でも2020-06-03、ついに入院者数が0になりました。めでたい。
そんな中…2020-05-29、厚生労働省は「感染症患者の退院及び就業制限の取扱い」について、原則として「発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合」は「病原体を保有していない」とみなし、検査なく退院可とする見直しを行いました。「国内外の研究で、発症日から7〜10日程度経過した場合にはウイルスが検出されず、検出されたとしても感染性がほとんどないという知見が示されている」のだそうです。
その知見について自分は勉強できていませんが…、正直、疑問を感じます。
(これまでのところは)退院していないということは検査陽性ということで、検査陽性ということはウイルスが検出されているということのはずです。そしてその患者さんは他者に感染させる危険を抑制するために入院していて(つまり隔離されていて)、(少なくとも国内では)感染性の検証は困難に思えます。
本当に「発症日から7〜10日程度経過した場合にはウイルスが検出され」ないのなら、その時点で検査は陰性となり、ほどなく退院しているはずです。が、これまで和歌山県の症例を眺めてきたところでは、感染確認から退院までの所要日数はかなり長い印象でした。実際どうだったのだろうか…、和歌山県の症例をもう少し定量的に整理して、様子を眺めてみようと思いました。
お約束ですが。資料の内容については一切責任は負えませんのでよろしくご承知おきください。
間違いとかありそうでしたら教えていただけると助かります。
2020-06-04時点の和歌山県発表の感染者数は63人(空港検疫や他府県扱いを除く)。少々サンプル数が少ないですが、とりあえず雰囲気くらいは汲み取れるでしょうか…。
感染者に対するPCR検査は、軽快(無症状病原体保有者については陽性の確認)から、2020-02-18の改訂で48時間、2020-04-02の改訂で24時間後に、最初の検査をやることになっていたようです。それ以前は無症状病原体保有者について10日なり12.5日なりの待機入院期間を設けていたようですが、2020-02-18以降はそういうタイムラグはなさそうです。(実際に入院後最初の検査をいつやったのかも資料からある程度追えなくはないですが、ちょっとそれをする余力はありません…。ご容赦を。)
「発症日」は定義が定かでなく拾い方が主観的なので多少差っ引いて見る必要がありますが…。「発表日〜退院日」で見ても、10日ほどにはまるで収まって見えません。14+3=17日にも収まってません。残る多くの人達は検査が陰性にならなくて入院し続けてたわけですが、その状況で本当に「感染性がほとんどない」のでしょうか。
入院中に無症状から重症化するようなケースもありますが、無症状や状態安定のまま推移して退院していく人もいて、そういう人達も決して早期に陰性化していません。
「たかが風邪」とは言うものの…。まだまだ得体を掴みかね世界的にも猛威が吹き荒れてる中での無検査での退院判断は、無症状陽性者を自宅待機でなく入院させる措置と噛み合わなくないですかね…。